高齢出産では、どうしても産科医や助産師は慎重にならざるをえません。医療行為ができない助産所では、高齢出産を扱わないところがほとんどです。よほどお母さんが希望して提携先の産科医と連携をうまく取り合える環境になければ、難しいのが現状です。しかし、高齢出産だからといっても、健康に自信があって、「自分で産むんだ!」という意思を強く持っているならばあきらめずに、産科医、助産師、家族など周囲の人たちとよく相談しましょう。
逆に、やはりリスクが心配で、設備の整った病院のほうが精神的に安心できるということでしたら、そのほうがいいでしょう。母子にとって精神的な作用はもっとも大きく働くのです。
そのためにも、自分がどのようなお産をしたいか、というバースプランを立てることが大切になります。バースプランとは、
○ どこで
○ 誰と一緒に
○ どういうお産をしたいか
というお産の具体的なイメージプランです。
たとえば、
○ 設備の整った産院で
○ 夫や母親や子供たちに立ち会ってもらって
○ 分娩台の上ではなく、布団の上で、フリースタイルで産みたい。会陰切開はしない。
生まれたらすぐにカンガルーケアをしたい。
という具合です。自然分娩を希望する場合、「高齢出産なのにわがままを言って!」といわれるかもしれませんが、高齢だろうとそうでなかろうと、赤ちゃんを産む同じ妊婦です。そのかわり、自然分娩のプランには自分で責任をとる覚悟が必要です。何度も書いているように、“自分で産むための”身体づくり、心づくりは必須です。どうすれば、自分も赤ちゃんも家族も幸せなお産を迎えられるか、より具体的にイメージできるように本を読んだり、先輩ママさんの話を聞いたり、できるかぎり調べましょう。それが心身ともにお産を迎える準備を整えるトレーニングにもつながります。
また、いい産院の条件とは、妊婦さんの声をきちんと聞いて、できるだけ希望を叶えてくれるところです。産院の医師、看護士、助産師のいうことを素直に聞いていればいい、という態度のところはやめましょう。いいお産をするための愛情のこもった厳しいアドバイスと、そうでない高圧的な態度の違いは、自分の心がどう感じるかでわかります。
母体がもっともリラックスして前向きな気持ちで出産に挑める環境づくりが一番です。そのためにも、妊婦さんは“どんな出産をしたいか”とうバースプランのイメージを具体的に描きましょう。
もちろん、自身の考えや、家族の意向などが出産までに変わることはよくあるので、検診の経過をふまえて臨機応変に対応できるよう、しっかりと勉強しておきましょう
私が産んだ場所は実家のそばの産院でした。産み月間近まで東京で仕事をしていたので検査は東京の産院でしたが、検診データを持って出産2ヶ月前にお願いしにいったのです。もし、産院がいっぱいだったら自宅で産もう!くらいの勢いがあったもので(経過も順調だったので……でも助産師さんにはマル高ですから拒否されていました)産院の個室が空いていたのは私よりも家族にとっての安心になりました。そこはフリースタイルの自然分娩を推奨している産院でしたので、私は洋間ながらおふとんの上でのお産を選びました。もちろん、高齢出産ですから何かあればすぐに帝王切開に切り替えますよ、という条件付です。
部屋では好きな伽羅のお香を焚いて、夜はほのあかり、好きなクラッシックやボサノバ音楽のCDを持ち込んだりもしながら結局は聴かず、陣痛の合間はぐーすか寝たり、食べたり自由にしていました。家族の立会いは夫が分娩10時間前から、母はずっとかかりきりでそばにいてくれて、産院側からは助産師さんが交代でついてくれて、つねに誰かがそばにいてくれるという非常に心強いものでした。精神的な安心がよかったのか、陣痛の経過は順調で、さしたるトラブルもなく、高齢の初産で20時間は超安産だとほめられたときはなんともいえない達成感でいっぱいでしたし、何よりも、全身全霊で産んだばかりの赤ちゃんを胸に抱いたときの感動は「女に生まれてよかった!」。赤ちゃんもとても元気で、この世にこんなに愛おしい生物がいるのかと思ったくらい。高齢出産でもちゃんと産めることを周囲にも証明することができて、本当によかったと思っています。これから母としても、女としても、しっかりと生きていく自信がついたようです。
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